北欧と図書館
北欧の図書館は素晴らしい!
今でこそネット社会でその存在価値は変わってきているが、
生涯学習のための場所や情報提供
コミュニティー住民への情報の公平な提供といった点で
とても整備されたサービスを提供してきた。
北欧の図書館に行ってみたくなる話 <参考資料>
【フィンランド】
1.ヘルシンキ大学図書館
ヘルシンキ大聖堂を設計したカルル・ヘンゲルスがヘルシンキ大学図書館を設計した。大学図書館が
国立図書館も兼ねており、15 歳以上であれば誰でも利用できる。フィンランドがかつてロシア領だった
ため、帝政ロシア期の資料が充実している。蔵書数約260 万冊で、フィンランド大学図書館の総蔵書数
は900 万冊を超える。特に科学文献は国内の3分の1 を有すると言われる。
【デンマーク】
2.デンマーク王立図書館
デンマークの首都コペンハーゲンにある国立図書館であり、北欧諸国の中で最大規模の図書館である。
17 世紀以降、デンマーク国内で印刷された出版物を全て収めていて、歴史的に貴重なものが多数含まれ
る。「宝石箱」をイメージさせる新館はシュミット・ハマー&ラッセンが、1999年に南アフリカ産の黒
色花崗岩を外壁に用いて設計したため「ブラック・ダイヤモンド」と呼ばれる。図書・雑誌600 万冊以
上を所蔵するが、版画、写真、小冊子等を含めると3億点以上を所蔵する。18歳以上が利用できる。
3.コペンハーゲン大学図書館
コペンハーゲン大学の歴史は古く1479 年に創立された。デンマークで一番歴史があり、国内最大規
模の大学である。1920 年代後半にオーフス大学が設立されるまではデンマーク唯一の大学であった。
キャンパスはコペンハーゲン市内に4つに分散しており、それぞれ4つの大学図書館を有する。デンマ
ーク王立図書館は大学図書館のひとつを兼ねる。学生数約37,000 人、教職員7,000 人で学生の約7
割を女性が占める。
【ノルウェー】
4.オスロ大学図書館
オスロ大学は1811年に当時の国王フレデリック6世の名前にちなみ王立フレデリック大学として設
立され、1939 年に現在のオスロ大学になった。1989 年までオスロ大学アウラ講堂にてノーベル平和
賞の授賞式を行なっていた。学生数約3万人、教職員約6,500 人で、ノルウェーでも最大規模の大学で
ある。オスロ大学は4 つのエリアにキャンパスが分かれている。図書館は人文社会科学図書館、医学図
書館、自然科学図書館、法学図書館などがある。図書・雑誌350 万冊以上所蔵する。
【スウェーデン】
5.ルンド大学図書館
ルンド市はスウェーデン南部にある人口約10万人の都市である。ルンド大聖堂があることで有名で
ある。ルンド大学はスウェーデン国内では2番目に古く、1666 年に設立された大学である。学生数約
4万人、教員数約2,000 人である。ルンド大学は学術研究分野において質・量ともに優れた大学が加盟
する事ができるヨーロッパ研究大学連盟に所属している。ルンド市以外にもマルメ市、ヘルシンボリ市
にもキャンパスがある。小規模の図書室を合わせると約30 の図書館がある。
6.ルンド市公共図書館
ルンド市の人口が約10 万人であり人口の3分の1以上をルンド大学の学生が占めるため、ルンド市
は大学都市と言える。市内の多くの文化・娯楽施設が学生志向となっている。ルンド市公共図書館は
1968 年に開館し、1999 年に改修工事を行なった。貸出期間は1カ月間で貸出冊数は無制限であるが、
延滞した場合は延滞金が徴収される。
7.ウプサラ大学図書館
ウプサラ市はスウェーデン中部にある国内第4位の都市である。人口は約13 万である。ガムサ・ウ
プサラ遺跡があることで有名である。ウプサラ大学は1477 年に創設された北欧最古の大学である。多
くのノーベル賞受賞者を輩出している。大学図書館は1620 年に国王グスタフ2世アドルフにより設立
された。17 世紀から国内出版物の法廷納本制度により大学図書館のコレクションを増やしている。蔵書
約520 万冊、電子ジャーナルの購読12,000タイトルにおよぶ。
8.スウェーデン王立図書館
スウェーデンの国立図書館である。王立図書館は16 世紀のグスタフ1世の時代に起源を遡る。スウ
ェーデン語で書かれた国内の出版物のほかAV 資料なども収集する。また海外のスウェーデンに関する
資料も収集している。国内出版物の納本を義務付けた法廷納本制度に基づき資料を収集している。スウ
ェーデン王立図書館はストックホルム市中心部にあるフムレゴーデン公園内に建てられている。スウェ
ーデン王立図書館の建物は1878 年に建てられ、1997 年に大規模な増改築を行なった。18 歳以上で
あれば利用ができるが、館外貸し出しは行われていない。図書、雑誌、写真、ポスターなど2,000 万点
以上を所蔵する。
9.ストックホルム市立図書館
ストックホルム市立図書館は、ストックホルムの中心部にあるオブサーヴァトリー公園内に建ってい
る。ストックホルム市立図書館を設計したのは、モダン建築の巨匠エーリック・グンナール・アスプル
ンドである。彼が設計した図書館はここだけである。クヌート・アリス・ウォーレンバーグ財団からの
100 万スウェーデンクローネの寄附をもとに建設され、1928 年に開館した。建物は立方体の箱の中心
に円柱の筒が乗っている構成で、円柱部分が360 度の書架となっている。
10. マルメ市立図書館
マルメ市はスウェーデン第3の都市で人口約27 万人。マルメ城がある古都である。マルメ市立図書
館は1901年に建てられた建物を長く使用してきたが、1998 年にヘニング・ラーセンの設計で新館が
建てられ、翌1999 年に旧館もラーセンの設計で改築された。旧館は主に、児童図書、芸術専門書、マ
ルメと南スウェーデンの図書などが配架されている。マルメ市立図書館は南スウェーデンの全域を対象
とした図書館サービスを行なっている。蔵書は約50 万冊あり、移民向け図書やDVD なども充実してい
る。1日の貸出冊数は4,500 冊を超える。